ー Learning place of the color ー 色の学びば

梅（梅）の旬（しゅん）は短（みじか）く、日本（にほん）の梅（うめ）の旬（しゅん）は早（はや）い地域（ちいき）で5月下旬（がつげじゅん）から7月下旬（がつげじゅん）までとなっています。
取（と）れたての梅（うめ）は青（あお）みがかっていますが、梅干（うめぼ）しはどうして赤（あか）いのでしょうか？

梅干（うめぼ）しはシソの葉（は）（赤（あか）シソ）で漬（つ）け込（こ）みます。
赤（あか）シソで漬（つ）けているから赤（あか）なんじゃない？と思（おも）うかもしれませんが、シソは漢字（かんじ）で書（か）くと紫蘇（しそ）となり、赤色（あかいろ）ではなく紫色（むらさきいろ）をしています。
では、紫色（むらさきいろ）のシソでつけたのに梅干（うめぼ）しが赤（あか）いのはなぜでしょうか？

実（じつ）はここでも理科（りか）で習（なら）う酸（さん）とアルカリの化学反応（かがくはんのう）が関係（かんけい）しています。
赤（あか）シソには『シソニン』という色素（しきそ）が含（ふく）まれいます。
『シソニン』は酸（さん）を加（くわ）えると赤（あか）くなり、アルカリ性（せい）のものを加（くわ）えると青（あお）くなります。
梅（うめ）にはクエン酸（さん）が含（ふく）まれているので、クエン酸（さん）に反応（はんのう）して赤（あか）くなっているのです。

またシソには梅（うめ）を赤（あか）くするだけではなく、防腐力（ぼうふりょく）と殺菌作用（さっきんさよう）があります。
なので保存食（ほぞんしょく）として昔（むかし）から食（た）べられているのです。
梅（うめ）に含（ふく）まれているクエン酸（さん）は疲労回復（ひろうかいふく）にも効果（こうか）あり、夏（なつ）バテ防止食材（ぼうししょくざい）として良（よ）いとされていますね！
普段（ふだん）、何気（なにげ）なく口（くち）にしている梅干（うめぼ）しの赤色（あかいろ）にも理由（りゆう）があるということがわかり、とても面白（おもしろ）いですね。

紫陽花（あじさい）の花（はな）の色（いろ）は赤（あか）、青（あお）、紫（むらさき）と色々（いろいろ）ありますよね。
この色（いろ）づく部分（ぶぶん）は花（はな）ではなくガクといいます。ひとつの株（かぶ）でも場所（ばしょ）によって色（いろ）が違（ちが）っていたり、咲（さ）き始（はじ）めから咲（さ）き終（お）わりまでの色（いろ）が変化（へんか）します。

そんな紫陽花（あじさい）の色（いろ）の違（ち）いはなにが理由（りゆう）なのでしょうか？
紫陽花（あじさい）の色（いろ）は土（つち）の酸性度（さんせいど）によってきまります。
土（つち）が酸性（さんせい）だと青色（あおいろ）、アルカリ性（せい）だとピンクの紫陽花（あじさい）が咲きます。
紫陽花（あじさい）の色素（しきそ）に「アルミニウムイオン」と結合（けつごう）すると青（あお）くなるという性質（せいしつ）があるためだと言（い）われています。
なので、土（つち）にとけているアルミニウムの含有度（がんゆうど）が少（すく）ないと吸収（きゅうしゅう）されるアルミニウムの量（りょう）も少（すく）なくなるので、紫陽花（あじさい）は赤（あか）くなります。

また紫陽花（あじさい）は咲（さ）き始（はじ）めから咲（さ）き終（お）わりまでの色（いろ）が変化（へんか）します。
時間（じかん）とともに紫陽花（あじさい）の色（いろ）が変化（へんか）するのは土壌（どじょう）の成分（せいぶん）が流（なが）れだしたりして、酸性度（さんせいど）やアルミニウムの量（りょう）が変化（へんか）することが原因（げんいん）といわれています。

●紫陽花（あじさい）の色別花言葉（いろしきべつはなことば）と色彩心理（しきさいしんり）
＜ピンク～赤紫（あかむらさき）＞

花言葉（はなことば）は『元気（げんき）な女性（じょせい）』
赤（あか）やピンクに色付（いろづ）く紫陽花（あじさい）は主（しゅ）にヨーロッパで育（そだ）ちます。
赤（あか）は情熱的（じょうねつてき）な愛情表現（あいじょうひょうげん）やロマンティックなムード、ゴージャスな雰囲気（ふんいき）を演出（えんしゅつ）します。また赤（あか）い食材（しょくざい）は元気（げんき）がほしいとき、食欲（しょくよく）がないときに食卓（しょくたく）を華（はな）やかにします。
ピンクは不安（ふあん）を和（やわ）らげてホッとしたいとき、包（つつ）み込（こ）むような愛情（あいじょう）を表現（ひょうげん）したいときにいいといわれています。

＜青（あお）～青紫（あおむらさき）＞

花言葉（はなことば）は『澄（す）みきって清（き）らかな』『知的（ちてき）な人（ひと）』『神秘的（しんぴてき）』
紫陽花（あじさい）の定番（ていばん）カラー、青（あお）や紫（むらさき）。
青（あお）は物静（ものしず）かな思考（しこう）を引（ひ）き出（だ）すとともに、誠実（せいじつ）さや信頼感（しんらいかん）、知性（ちせい）とむすびつく色（いろ）であり、自立神経（じりつしんけい）の副交感神経（ふくこうかんしんけい）を優位（ゆうい）にさせてるよう働（はたら）きかける色（いろ）です。
逆（ぎゃく）に落（お）ち込（こ）んでいるときは青（あお）を多用（たよう）することは逆効果（ぎゃくこうか）です。さみしい時（とき）に孤独感（こどくかん）を感（かん）じるときには青（あお）を使（つか）うことは避（さ）けましょう。
青紫（あおむらさき）は高貴（こうき）で優雅（ゆうが）な色（いろ）として親（した）しまれており、静（しず）かな時間（じかん）を過（すご）ごしたいとき、じっくりと考（かんが）えを深（ふか）めたいときに、よい色（いろ）です。

＜白（しろ）＞

花言葉（はなことば）は『寛容（かんよう）』
紫陽花（あじさい）は色（いろ）の移（うつ）ろいが特徴的（とくちょうてき）なお花（はな）ですが、じつは白色（しろいろ）もあります。
白（しろ）は国（くに）や文化背景（ぶんかはいけい）により大（おお）きく解釈（かいしゃく）がことなる色（いろ）であり、どんな色（いろ）にも染（そ）めることができる白（しろ）は純真無垢（じゅんしんむく）なイメージが強（つよ）く、世界的（せかいてき）にウエディングドレスの色（いろ）として認識（にんしき）されています。
寛容（かんよう）とは心（こころ）が広（ひろ）いという意味（いみ）であり、白（しろ）は純粋（じゅんすい）で染（そ）まらない印象（いんしょう）があるのでそのような花言葉（はなことば）がついたのかもしれませんね。

紫陽花（あじさい）の色（いろ）がもつ心理（しんり）と花言葉（はなことば）の関係（かんけい）、いかがでしたか？紫陽花（あじさい）を見（み）るときは、色（いろ）に注目（ちゅうもく）してみてくださいね。

囲碁（いご）とは、黒（くろ）と白（しろ）の碁石（ごいし）と碁盤（ごばん）を使（つか）って遊（あそ）ぶ陣取（じんど）りゲームです。
2500年以上前（ねんいじょうまえ）に中国（ちゅうごく）で誕生（たんじょう）した「人類（じんるい）の歴史上最（れきしじょうもっと）も古（ふる）いゲーム」といわれています。
囲碁（いご）は2人（ふたり）で行（おこな）い、一方（いっぽう）が白（しろ）、もう一方（いっぽう）が黒（くろ）を持（も）って対戦（たいせん）し、黒と白がお互（たが）いに陣地（じんち）を広（ひろ）げあい、
「囲（かこ）った陣地（じんち）の大（おお）きい方（ほう）が勝（か）ち」というシンプルなゲームです。

ただ陣地（じんち）を広（ひろ）げるだけでなく、「相手（あいて）の石（いし）を囲（かこ）って取（と）る」という囲碁（いご）には欠（か）かかせないこのルールがあるおかげで、
より複雑（ふくざつ）でおもしろいゲームになっています。

囲碁（いご）で使（つか）う碁石（ごいし）は、白（しろ）と黒（くろ）の二色（にしょく）がありますが、実（じつ）は微妙（びみょう）に大（おお）きさが違（ちが）うんです！
どちらが大（おお）きいかわかりますか？

実（じつ）は正式（せいしき）な碁石（ごいし）は、白（しろ）い碁石（ごいし）の方（ほう）が少（すこ）し小（ちい）さく作（つく）られています。
それはなぜでしょうか？

それは色（いろ）の見（みえ）え方（かた）に大（おお）きく関係（かんけい）しているのです。白（しろ）は膨張色（ぼうちょうしょく）なので大（おお）きく見（み）えて、黒（くろ）は収縮色（しゅうしゅくしょく）なので小（ちい）さく感（かん）じられます。
同（おな）じ大（おお）きさで作（つく）ると白（しろ）の碁石（ごいし）の方（ほう）が大（おお）きく見（み）えてしまいます。
そのため、並（なら）べた時（とき）に同（おな）じ大（おお）きさに見（み）えるように黒（くろ）の方（ほう）が少（すこ）し大（おお）きく作（つく）られているのです。

★危険（きけん）や禁止（きんし）によく使われる「赤」（あか）

→規制標識（きせいひょうしき）に使（つか）われる
「駐車禁止」（ちゅうしゃきんし）「車両通行禁止」（しゃりょうつうこうきんし）「一方通行」（いっぽうつうこう）「通行止め」（つうこうど）など
消防車（しょうぼうしゃ）が赤（あか）いのも注意（ちゅうい）をひく色であり、人間（にんげん）の感覚（かんかく）に訴（うった）える効果（こうか）があります。
また、見（み）るだけで炎（ほのお）の色を連想（れんそう）させ、火の用心（ひのようじん）を思（おも）い起（お）こします。

★注意（ちゅうい）によく使（つか）われる「黄色」（きいろ）

→警戒標識（けいかいひょうしき）
「車線数減少」（しゃせんすうげんしょう）「学校（がっこう）あり」など赤（あか）と同（おな）じようによく目立（めだ）ち、人の目（ひとのめ）には前方（ぜんぽう）に飛び出（とびだ）して近（ちか）く大（おお）きく見えるという特性（とくせい）から、
標識以外（ひょうしきいがい）にも児童（じどう）の帽子（ぼうし）や工事現場（こうじげんば）、踏切（ふみきり）などの注意喚起（ちゅういかんき）するものに使（つか）われています。

★目（め）に付（つ）きやすく読（よ）み取（と）りやすい青色（あおいろ）

→「指示標識」（しじひょうき）「案内標識」（あんないひょうしき）など
「車線数減少」（しゃせんすうげんしょう）「学校（がっこう）あり」など
くっきりと明（あか）るい青は、視認性（しにんせい）が高（たか）いため、情報（じょうほう）を伝（つた）える色（いろ）としてよく使用（しよう）されています。
特（とく）に「白地に青」（しろじにあお）や「青地に白」（あおじにしろ）の文字（もじ）は瞬時（しゅんじ）に判断（はんだん）し、正（ただ）しく情報（じょうほう）が伝（つた）わりやすい効果（こうか）があります。

★気持（きも）ちを落（お）ち着（つ）かれせ和（やわ）らげる効果（こうか）があり、速（はや）いスピードで走（はし）っていても確実（かくじつ）に読（よ）み取（と）れる緑色（みどりいろ）。

→「高速道路標識」（こうつうどうろひょうしき）など
自然界（しぜんかい）に最（もっと）も多（おお）いカラーで、目（め）に優（やさ）しく、頭（あたま）をすっきりさせる作用（さよう）があり、
安全・安心（あんぜん・あんしん）のサインでもあるので、非常口（ひじょうぐち）への誘導（ゆうどう）として使（つか）われています。

●ポストは最初（さいしょ）は赤（あか）では無（な）かった

日本（にほん）に最初（さいしょ）にポストができたのは、今（いま）から150年（ねん）も前（まえ）の1871年（ねん）のことです。
このころは、まだポストは木（き）で作（つく）られており、「書状集箱（しょじょうあつめばこ）」などと呼（よ）ばれていました。

翌年以降（よくとしいこう）、郵便制度（ゆうびんせいど）が全国（ぜんこく）に広（ひろ）まるにあたり、黒（くろ）のペンキで塗（ぬ）ったものに切（き）り替（か）わっていきました。
つまり、ポストは最初（さいしょ）から赤（あか）ではなかったのです。
この黒塗（くろぬ）りのポストは、夜（よる）や雨（あめ）の日（ひ）などには目立（めだ）たず、わかりにくいものでした。

また、
・『郵便箱（ゆうびんばこ）』を『垂便箱（たれべんばこ）』と読（よ）み違（ちが）えて中（なか）に排（はい）せつしていった人がいた
・爆竹（ばくちく）が突（つ）っ込（こ）まれる放火事件（ほうかじけん）が起（お）こった
などの事件（じけん）が発生（はっせい）していました。

●ポストが赤（あか）になったのは、いつから？

ポストが赤（あか）くなったのは、最初（さいしょ）のポストが出来（でき）てから37年後（ねんご）の1908年（ねん）のことです。
この年（とし）はじめて鉄（てつ）でできた赤（あか）いポストが町（まち）に置（お）かれました。

このときポストを赤（あか）くぬった理由（りゆう）は、やはり赤（あか）が一番目（いちばんめ）につくからということのようです。
町（まち）の中（なか）に置（お）いたときにどんな色（いろ）にすればよく目立（めだ）つかということから決定（けってい）されたのです。
なぜポストが赤（あか）いかは、その色（いろ）がよく目立（めだ）つためというわけです。

また、日本（にほん）はイギリスの郵便制度（ゆうびんせいど）を導入（どうにゅう）したこともあって、イギリスと同（おな）じ赤（あか）にしたともいわれています。
フランスやドイツは黄色（きいろ）、アメリカは青色（あおいろ）で、国（くに）によってポストの色（いろ）に違（ちが）いはありますが、やはり目立（めだ）つ色（いろ）にしています。

●なぜ紅白（こうはく）は縁起（えんぎ）が良（よ）いの？

日本（にほん）では古（ふる）くから紅白の色は、めでたい、お祝（いわ）い、縁起（えんぎ）がよい、といった意味（いみ）で祝（いわ）いの席（せき）の紅白幕（こうはくまく）や紅白餅（こうはくもち）、紅白饅頭（こうはくまんじゅう）など
縁起物（えんぎもの）に用（もち）いられています。
これは由来（ゆらい）に諸説（しょせつ）ありますが、赤色（あかいろ）が赤ちゃんというように出生（しゅっせい）を意味し、白色（しろいろ）が死装束（しにしょうぞく）の色のように死（し）や別（わか）れを意味（いみ）するところから、
その ２つの色を組（く）み合（あ）わせることによって人生（じんせい）そのものを表（あらわ）しているという説（せつ）や、花嫁衣裳（はなよめいしょう）の色であるという説、
古来（こらい）から赤飯（せきはん）を炊（た）いて祝（いわ）っていたことから赤飯（せきはん）の色であるという説などが主（おも）な由来（ゆらい）として知（し）られています。

●縁起物以外（えんぎものいがい）に用（もち）いられる紅白（こうはく）

縁起（えんぎ）の良（よ）いものとして扱（あつか）われる以外（いがい）に、紅白歌合戦（こうはくうたがっせん）や、赤白帽（こうはくぼう）、紅白戦（こうはくせん）など、縁起物以外（えんぎものいがい）にも主（おも）に
「対抗（たいこう）する２組（くみ）」を表（あらわ）すものとして紅白（こうはく）は用（もち）いられます。そのルーツは諸説（しょせつ）ありますが、そのひとつに源平合戦（げんぺいがっせん）とする説（せつ）があり、
源氏（げんし）が白旗（しろはた）を、平氏（へいし）が紅旗（こうき）を掲（あ）げて戦（たたか）ったことが挙（あ）げられます。合戦（がっせん）に用（もち）いられた配色（はいしょく）であり、また、対照的（たいしょうてき）な色合（いろあ）いでもあることから、
以来（いらい）、対抗（たいこう）する配色（はいしょく）として用いられるようになったようです。

●紅白（こうはく）はなぜ赤白（せきはく）といわないの？

紅白（こうはく）はなぜ、紅白（コウハク）なのでしょう？赤白（セキハク）とは言わないのでしょうか？
それは、漢字（かんじ）の読（よ）みにおいて、「セキ」という意味（いみ）が中国（ちゅうごく）では「赤裸々（せきらら）」「赤貧（せきひん）」などのように「裸（はだか）」「むき出（だ）し」などの悪（わる）い意味（いみ）を持（も）つためです。
現代（げんだい）でも中国（ちゅうごく）では「赤（せき）」という文字（もじ）は使用（しよう）せず、あかい意味で「紅（こう）」の文字（もじ）が使（つか）われています。

●警察（けいさつ）のパトカーはなぜ白黒の２色（しょく）に赤いランプなの？

パトカーはなぜ白と黒の色（いろ）になったのでしょうか。
また、ランプの色はどのように決（き）まったのでしょうか。
パトカーとは「パトロールカー」の略（りゃく）で、警察官（けいさつかん）が取（と）り締（し）まりのための巡回（じゅんかい）など、警察活動（けいさつかつどう）のために利用（りよう）する自動車（じどうしゃ）です。

パトカーが日本（にほん）に初（はじ）めて登場（とうじょう）した当時（とうじ）は、日本で生産（せいさん）される自動車（じどうしゃ）の色は白色（しろいろ）がほとんどで、パトカーも白一色（しろいっしょく）だと他（ほか）の一般車（いっぱんしゃ）と区別（くべつ）することが難（むずか）しくなりました。

結果（けっか）として1955年（ねん）ごろ、一般車（いっぱんしゃ）とパトカーを区別（くべつ）できるように白一色から白と黒のデザインになりました。
ちなみに、アメリカのパトカーを参考（さんこう）にして白黒（しろくろ）のツートンカラーになったようです。

当時（とうじ）はほとんどの道路（どうろ）が舗装（ほそう）されていなかったため、車両（しゃりょう）が汚（よご）れやすかったようです。
そのため、パトカーの下半分（したはんぶん）の汚れを目立（めだ）ちにくくするために黒色（くろいろ）にしたといわれています。
日本（にほん）のパトカーはアメリカの影響（えいきょう）を強（つよ）く受（う）けているんですね。

パトカーのランプの色（いろ）についても考（かんが）えてみましょう。
パトカーのランプに使（つか）われる色（いろ）といえば、「赤（あか）」を思（おも）い浮（う）かべますよね。
一方（いっぽう）で、青（あお）いランプのパトカーを見（み）たことがある人（ひと）もいるかもしれません。

では、パトランプの色によって違（ちが）いはあるのでしょうか。
日本（にほん）のパトカーのランプの色は基本的（きほんてき）には赤色（あかいろ）です。
日本では「道路交通法施行令（どうろこうつうほうしこうれい）」により、緊急自動車（きんきゅうじどうしゃ）の条件（じょうけん）として赤色の警光灯（けいこうとう）をつけることが義務付（ぎむづ）けられています。
つまり、緊急車両（きんきゅうしゃりょう）として使（つか）われるパトカーは、法律（ほうりつ）で決（き）まっているため赤（あか）い警光灯（けいこうとう）をつけているのです。
緊急車両（きんきゅうしゃりょう）の警光灯（けいこうとう）に使（つか）われる色（いろ）が「赤（あか）」になった理由（りゆう）については、「赤」は世界的（せかいてき）に危険（きけん）や警告（けいこく）を示（しめ）す色として使用（しよう）されていたからだと
考（かんが）えられます。「赤」は危険（きけん）を連想（れんそう）する色です。そのため、注意（ちゅうい）を引（ひ）きつけやすい色（いろ）でもあります。
世界中（せかいじゅう）の信号（しんごう）では「止（と）まれ」などの警告（けいこく）の指示（しじ）として「赤」が使（つか）われています。

このように、注意（ちゅうい）を引（ひ）きつけやすく危険（きけん）・警告（けいこく）を連想（れんそう）させる色であるため、「赤」が使われるようになったと考（かんが）えられます。

一方（いっぽう）、青（あお）いランプのパトカーは通称（つうしょう）「青（あお）パト」と呼（よ）ばれる防犯（ぼうはん）パトロールカーです。

地域（ちいき）の自主防犯活動（じしゅぼうはんかつどう）として警察（けいさつ）と国土交通省（こくどこうつうしょう）から許可（きょか）された団体（だんたい）が防犯（ぼうはん）パトロール用（よう）して使用（しよう）している車両（しゃりょう）です。

●黒板（こくばん）の色（いろ）はどうして黒（くろ）ではなくて緑（みどり）なの？

黒板（こくばん）は、学校（がっこう）の教室（きょうしつ）で使（つか）われており、みなさんもよく知（し）っている存在（そんざい）でしょう。
しかし、黒板という名前（なまえ）なのにどうして黒（くろ）ではなく、深（ふか）い緑色（みどりいろ）なのでしょうか？

黒板は、学校制度（がっこうせいど）が定（さだ）められた明治時代（めいじじだい）にアメリカから持（も）ち込（こ）まれました。
その時（とき）の黒板は名前（なまえ）の通（とお）りの黒い板（いた）で、英語（えいご）での名前（なまえ）「BLACK BOARD」（ブラックボード）を直訳（ちょくやく）して「黒板」になりました。

しかし、黒の染料（せんりょう）が入手困難（にゅうしゅこんなん）であったことに加（くわ）えて、以下（いか）のような理由（りゆう）から深（ふか）い緑色（みどりいろ）になったといわれています。

●緑の色が持（も）つ色彩心理効果（しきさいしんりこうか）である鎮静作用（ちんせいさよう）やストレス減少効果（げんしょうこうか）を利用（りよう）するため
●黒よりも緑の方（ほう）が目（め）に優（やさ）しいため
●窓（まど）からの光（ひかり）が反射（はんしゃ）して黒板が光（ひか）ってしまい、文字（もじ）が見（み）づらいため
●黒板に塗（ぬ）る塗料（とりょう）で天然材料（てんねんざいりょう）から緑色（みどりいろ）を出（だ）すのが難（むず）しかったため

お馴染（なじ）みの深い緑色の黒板にそんな理由（りゆう）があったんですね。

●レスキュー隊（たい）や消防士（しょうぼうし）の服（ふく）どうしてオレンジ色（いろ）なの？

目立（めだ）ちやすいオレンジ色は「視認性（しにんせい）が良（よ）い」からです。
オレンジ色は、遠（とお）くからでもハッキリと見（み）え、「誘目性（ゆうもくせい）」（目（め）につきやすくて発見（はっけん）されやすい）にも優（すぐ）れています。

誘目性（ゆうもくせい）が高（たか）い色の代表（だいひょう）は「信号（しんごう）の赤（あか）」です。
え？オレンジ色より赤色なの？？
そうなのです。視認性（しにんせい）と誘目性（ゆうもくせい）だけを取（と）ると、オレンジ色よりも赤色（あかいろ）の方（ほう）が上（うえ）になります。
では、どうして赤色を使わないのでしょうか？

赤色は単独（たんどく）で用（もち）いるとよく目立（めだ）つ色（いろ）なのですが・・・
少（すこ）し暗（くら）い所（ところ）で、他（ほか）の色と混在（こんざい）すると目立（めだ）たなくなるのです。

このような理由（りゆう）から遭難者（そうなんしゃ）から目立（めだ）つよう、またレスキュー隊自身（たいじしん）も遭難（そうなん）しないようにオレンジ色なのです。

また、オレンジ色は航海・航空（こうかい　こうくう）の保安施設（ほあんしせつ）では「危険（きけん）を知（しる）す色」として使（つか）われています。

身近（みぢか）なところでは、船（ふね）の救命具（きゅうめいぐ）や浮き輪（うきわ）、ブイにもオレンジ色が使われています。

遭難（そうなん）で目立（めだ）ちやすいという理由（りゆう）から、宇宙飛行士（うちゅうひこうし）の出発時（しゅっぱつじ）の宇宙服（うちゅうふく）もオレンジなのです。
万が一、（まんがいち）打上（うちあ）げに失敗（しっぱい）して、脱出（だっしゅつ）した時（とき）でも飛行士（ひこうし）を見（み）つけやすいからです。

●テニスボールはなぜ黄色（きいろ）？

国際（こくさい）テニス連盟（れんめい）（ITF）では、テニスの正式（せいしき）の試合（しあい）で使（つか）えるボールは、白（しろ）か黄色（きいろ）と定（さだ）められていますが、
現在（げんざい）は、黄色（きいろ）のボールが主流（しゅりゅう）となっています。なぜでしょうか？

当時一般（とうじいっぱん）レベルではクレーコート(土（つち）)が主流（しゅりゅう）で、白のボールだとコートの土で汚（よご）れるため、コートとボールが同じ色になってしまい、見えにくいということがありました。

また、カラーテレビの普及（ふきゅう）により、黄色はテレビ中継（ちゅうけい）の際（さい）、画面上（がめんじょう）で映（は）えて見えます。
夜（よる）の試合（しあい）も多（おお）くなり、暗（くら）くても比較的（ひかくてき）見やすい黄色のボールは広（ひろ）く使（つか）われるようになりました。

そして1986年のウィンブルドンで正式（せいしき）にボールが白から黄色に変更（へんこう）されたことで、「テニスボールは黄色」というイメージが定着（ていちゃく）したといえそうです。

●テニスボールが黄色いワケは光（ひかり）の屈折率（くっせつりつ）にあり

テニスボールが黄色い理由（りゆう）に迫（せま）る前（まえ）に、そもそも人（ひと）が色（いろ）を見るしくみを説明（せつめい）します。
色は、その物体（ぶったい）がその色を放（はな）っているのではなく、光の反射（はんしゃ）によってその色に見えています。
そこには光の屈折率（くっせつりつ）が関係（かんけい）しています。
赤（あか）い色は、光の屈折率（くっせつりつ）が小（ちい）さく、青（あお）い色は、光の屈折率（くっせつりつ）が大（おお）きい。そして黄色はその中間（ちゅうかん）です。
すなわち、テニスボールのあの色は最（もっと）も光の屈折率による影響（えいきょう）や誤差（ごさ）をうけにくい色になるのです。

7月7日は「七夕」の日で、織姫（おりひめ）さまと彦星（ひこぼし）さまが、天の川（あまのがわ）をわたって、1年に一度（いちど）だけ会（あ）うことのできる日です。

短冊（たんざく）に願（ねが）いごとを書（か）いて笹（ささ）に飾（かざ）る行事（ぎょうじ）と覚（おぼ）えている人（ひと）も多（おお）いことでしょう。
色（いろ）とりどりの短冊にどんな願い事を書くか悩（なや）むのも、七夕の楽（たの）しみのひとつです。

この短冊、実（じつ）は色にも意味（いみ）があるのをご存知（ぞんじ）ですか？

もともとは青（あお）、赤（あか）、黄（き）、白（しろ）、黒（くろ）の５色（しょく）が基本（きほん）でした。

童謡（どうよう）「たなばたさま」でも「五色(ごしき)の短冊　わたしが書いた」と歌（うた）われていますよね。

これは中国（ちゅうごく）の陰陽五行説（いんようごぎょうせつ）に由来（ゆらい）するもので、自然界（しぜんかい）のすべてのものを木、火、土、金、水の５つにあてはめる考（かんが）え方（かた）のこと。
この５つの要素（ようそ）を色で表すと、それぞれ青（緑）は木、赤は火、黄は土、白は金、黒（紫（むらさき））は水となります。
七夕飾（たなばたかざ）りにおいては、短冊にこの５色を使用することで、魔除（まよ）けになるとされていました。
また、この「陰陽五行説（いんようごぎょうせつ）」は、人間（にんげん）が生（い）きる上（うえ）で大切（たいせつ）な考え方である「五徳（ごとく）（仁（じん）・礼（れい）・信（しん）・義（ぎ）・智（ち））」にも通（つう）じるとして、短冊の色ごとに以下（いか）のような意味（いみ）を込（こ）めたそう。

◆木（青・緑）　人間力（にんげんりょく）を高（たか）める
「○○できるようになりますように」や「○○をなおせますように」など、
成長（せいちょう）や人間力を高める願（ねが）い事（ごと）が良（よ）いとされているので、自分（じぶん）の苦手（にがて）なこと、短所（たんしょ）をなおしたいという願い事がおすすめです。

◆火（赤）　　　先祖（せんぞ）や親（おや）への感謝（かんしゃ）
「いつもありがとう」や「いつまでも健康（けんこう）で元気（げんき）でいてね」などの願い事は赤（あか）の短冊に書きます。

◆土（黄）　　　人（ひと）を大切（たいせつ）に思（おも）う、信頼感（しんらいかん）を育（はぐく）む
「お友達（ともだち）がたくさんできますように」「恥（は）ずかしがり屋（や）がなおりますように」など、人間関係（にんげんかんけい）に関連（かんれん）する願（ねが）い事（ごと）がおすすめです。

◆金（白）　　　義務（ぎむ）や決（き）まりを守（まも）る
「○○をやる」「寝坊（ねぼう）しませんように」などルールを守（まも）る願い事は白の短冊に書きます。

◆水（黒・紫）　学業向上（がくぎょうこうじょう）
「勉強（べんきょう）が出来（でき）ますように」や「テストや受験（じゅけん）がうまくいきますように」など学業成就（がくぎょうじょうじゅ）は紫や黒の短冊に書きます。

短冊の色の意味にあわせた願い事を書くと、願いが叶いやすくなるともいわれています。
現代（げんだい）の日本（にほん）では、短冊の色はあまり意識（いしき）されなくなりましたが、願い事に合わせて短冊の色を選（えら）んでみてはいかがでしょうか。

サッカーボールが誕生（たんじょう）した1800年代後半（ねんだいこうはん）はサッカーボールの色は「茶色（ちゃいろ）」が一般的（いっぱんてき）でした。
では、なぜ白黒（しろくろ）になったのでしょうか？

その理由（りゆう）は、「テレビ」にあります。

日本（にほん）でもテレビが販売（はんばい）され始（はじ）めた頃（ころ）、テレビの色は白黒でした。
サッカーボールは茶色のため、白黒テレビではボールが白一色（しろいっしょく）になり、見えにくいという事態（じたい）が起（お）こりました。
そうして誕生（たんじょう）したのが白黒のサッカーボールで、1968年に開催（かいさい）されたメキシコオリンピックから使用（しよう）されています。

さて、白黒サッカーボールは白と黒がどれくらいの比率（ひりつ）で組（く）み合（あ）わされているか知（し）っていますか？
白が２０枚（まい）、黒が１２枚です。この比率（ひりつ）は数学者（すうがくしゃ）アルキメデスが考（かんが）えた多面体（ためんたい）の法則（ほうそく）を利用（りよう）しています。
この比率（ひりつ）は白が多（おお）いですが、それには理由（りゆう）があり、白色（しろいろ）を多めにすることで、黒色（くろいろ）が浮（う）いて立体的（りったいてき）に見えるからです。